コラム 1 即興演奏編


 一般にはアドリウ゛と呼ばれ( その場の思い付きで突発的な言動をする )の意味で使われる言葉だが
 モダンギターセミナーの基本指導方針はこの(
アドリヴ )にある
 楽曲中のソロやリフは事前に作曲されリハーサルを重ね作られていると思っている人は少なくない
 ビートルズや1969年・ウッドストック以降
 音楽ビジネスが巨大化し商品性を高めるため成功率の低い即興は除々にレコーディングやライブ演奏から減って行った
 ついにはロックやパンクの演奏までもが譜面になって発売されている今
 それら多くのソロなどが即興で演奏されていた事実をほとんどの人達は認識していない

 幼い頃ディープパープルのマシンヘッドをすり減るまで聞き
 ライブインジャパンに針を下ろし初めて別テイクのハイウェイスターを聞いた時
 私を含め多くのギターキッズはアドリブの存在
 その作曲された演奏とは違うスリルとエネルギーの素晴らしさに目覚めたはずだ
 それがBBキングやオールマンのブルースならなおさらだし、クラプトンやベック、ジミヘンドリックスの海賊盤を探し
 同じ曲の違う演奏を数多く聞けば容易に納得のいく世界だった 
 【なぁ〜んだ!みんなアドリブでやっているのか!】…しかしその即興演奏の世界を極める事が
 いかに難解で果てしなく遠い道程か、それに気付くための時間は僅かだったように思える・・・


 本来ロックやジャズ、ブルースは即興演奏の部分があり成立していたはずだ
 しかも特別な音楽教育を受けた人間達が始めた訳ではない
 作曲家がピアノの前で譜面を書きアレンジャーが仕上げて、彼らの言うがままに演奏し出来上がった音楽ではなかった
 多種多様な人が集まり、ビールを飲み煙の中で思考錯誤を繰り返ししながら、演奏した結果が多くの名曲・名演奏を生んだ
 それら多くは各プレーヤーのアドリブの自由度があってこそ可能だったに違いない

 即興で演奏出来るレベルがプレーヤーの実力であろうし、自己の成長に不可欠なベストなトレーニングでもあると思う
 もし本番でそれが叶うなら最高だ
 クラプトンもベックもペイジもリッチーも皆そうやってうまくなってきたに違いない
 ミスを恐れず常にアドリブでプレー出来た・・・そんな環境が与えられた幸せな時代のプレーヤー達だ
 そして現在のロックシーンがあるはずなのに・・・
 いつしかプレーヤーのためでなく、聴衆や興行のためのライブばかりになってしまった
 来日公演が5回あったら曲目も違うし、みんな違う演奏が当たり前だったのに・・・・少し前までは

 その昔、アルカトラスで ・・・もう止めろよ!・・と肩を叩かれるまで延々ギターソロを弾いていたイングヴェイ
 ザフーを前座のツェッペリンが喰い、またそのツェッペリンをアンコールの連続で楽屋に釘付けにしたグランドファンク
 そんな伝説的ライブを恋しく思うのは私だけではないはずだ
 お稽古事の様なロック演奏では決してありえない事だろう
 アドリブの生きた演奏のみが可能な感動があればこそ、何度も何度もアンコールされたに違いない

 今更画期的で新しい音楽が易々と生まれる訳がないと思うし
 過去の偉人達の名演奏を可能な限り分析・吸収し自分の血や肉とする
 そして自分の言葉で演奏する、それがより素晴らしいプレーを可能にする唯一の方法であり
 過去の偉大な音楽家に少しでも近ずくための近道と考える


 ・・・・・・楽器について・・

 一般にオールドギターは良い音がするとされているがそれは大方間違いではないだろう
 勿論オールドギターの中にも特別な評価にあたいしない物もある
 しかしそれを除いても【オールドギターは良い音がする】イコール
 【良い音はオールドの音】と言うのは間違いだ
 新しいギターでも素晴らしく良質な音のする物も沢山ある。
 骨董的または、価格的な価値観でオールドギター神話は根付いているが
 若いギタリストには良く作られた新品のギターを薦める
 何十年もそのギターと伴に成長し、そのトレードマークともなりえる自分のギターを所有していられるのが
 ギタリストにとって最も素敵な事だと考る。




TOP

Copyright (C) 2007 modern guitar seminar All Rights Reserved  株式会社エムジーエス モダンギターセミナー  代表 橋本賢二